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面白法人カヤック様 SOUNDカード™体験セッション&インタビュー

SOUNDカード™だからこそつくれる、「新しい話し合いのデザイン」とは 。
~面白法人カヤック様と解き明かす、SOUNDカード™の本質と可能性

2022年末、面白法人グループ各社のリーダー40名が一堂に集まるグループ経営会議プログラムの一部としてSOUNDカード™でのセッションを実施させていただきました。 

本インタビューは、その2か月後に面白法人カヤックの柴田様・丹治様に、オーセンティックワークス(株)の中土井がインタビュアーとなってその後の社内での展開などをお伺いしたものです。

話はどんどん盛り上がり、活用事例のみならず、SOUNDカードの本質や、カードによって可能になることなどを探求する対話へと深まっていきました。 

(左)株式会社カヤック 執行役員管理本部長 

柴田 史郎さん

(右)株式会社カヤック グループ戦略室 

丹治 拓未さん

  • 企業紹介:株式会社カヤック

1998年に合資会社カヤックとして設立。2005年に株式会社カヤックとして再スタート。2014年12月東証マザーズ(現東証グロース市場)に上場。通称面白法人カヤック。

社員の9割がデザイナーやプログラマーなどのクリエイター人材で「つくる人を増やす」を経営理念として個性と多様性を生かした独自性ある人事制度や経営を行なう。「面白法人」という企業理念のもと、固定概念にとらわれない発想力・企画力、実現する技術力・開発力を強みに、ゲームアプリや広告・Webサイト制作を始め、コミュニティ通貨、移住・関係人口促進など多様な領域で最新テクノロジーとアイデアを掛け合わせた新しくて個性的なコンテンツ体験を提供。

INDEX

1.「少しの準備でかなりのレベルまで会議を持っていける」って本当に?

2. SOUNDカード™はファシリテーターの「金棒」になる

3 .話し合いの3 つのポイントと、コントロールの秘訣とは

4 .会議内の見えない権力を解体するには

5 .暗黙知依存が生む「行き詰まり」を解消する方法とは 

6 .おわりに

1.「少しの準備でかなりのレベルまで会議を持っていける」って本当に?

― グループ経営会議にてSOUNDメソッド®セッションを実施させていただきましたが、その後の皆さんの反応はいかがですか? 

 

柴田さん: あの後も、社内で何回もやりましたね。 

 

丹治さん: 相当やっていますね。私も使っています。 柴田は多人数が集まる場で、というシチュエーションが多いです。 

私は、例えば事業開発をどう組み立てていくか?というフェーズで、コンサルタント的に入り込んでSOUNDカード™で組み立てていくという使い方をしています。 

 

柴田さん: 私は元々「1対n」で大人数にインプットする形式が好きではなくて、ワールドカフェのように、メンバーを入れ替えながら皆色々喋っていくことで、全体に情報や考えが流通していく、というやり方が主なスタイルです。

カヤック全体としてもそうですね。 
そのスタイルにSOUNDメソッド®のフォーマットを加えて組み立てることで、グルーピングするメンバー設定と、アジェンダの設定をカスタマイズすれば、大人数でもある程度意図した方向に場を創れるんじゃないかというイメージを持てました。 

例えば30人場に集めたとして、6グループに分けたら6種類のアジェンダができる。アジェンダが全く違うのに、同じ進行で進められる。カードがあるから、ある程度は放っておいても結局進行していきますし。 

先日のグループ経営会議は、まさにアジェンダの設定とグルーピングが大変でしたね。 

 

丹治さん: 逆に言うと、アジェンダの設定とグルーピングを意図を持って準備すれば、結構ある程度のレベルまで場や議論が進んでくれる、という感覚があります。特に大人数の場では最初のグルーピングとアジェンダの組み立てを大事にやったほうがいいですね。 

― なるほど。大人数でのセッションでも、SOUNDカード™のフォーマットと「問い」があることで話が進んでいくという可能性を感じてくださったのですね。 

丹治さん: そうですね。先日のグループ経営会議のような場では、議論が深まるか?ということと、協働が生まれてチームの方向性が定まるか?という2つの要素があると思いますが、SOUNDカード™があることで、どちらもある程度のレベルまでいってくれるんです。勝手に議論を進めてくれるし、議論の結果もきちんと共有されて、それがチーミングにつながるという。 

 

― 嬉しいご感想をありがとうございます!実は、カヤック様ではSOUNDカード™は早めに飽きられてしまうかなと思っていたんです。 
 

柴田さん・丹治さん: (笑) 

 

― いや、本当なんです(笑)真面目な話、元々ブレスト文化があって話し合いのレベルが高いカヤック様にSOUNDカード™との親和性はあるのだろうか…と思っていたのです。 

「SOUNDメソッド®で可能になる事」について、お二人はどのようなことだと見えてらっしゃいますか。 

 

丹治さん: ブレストは、要はアウトプットの話をずっとしているんです。「枝葉」の話をずっとしていく。 

私たちのメソッドでもあって、「葉」の話をいっぱい出していくことで「顧客も気づいていなかった『幹』が見えてくる」のが得意なのですが、「幹」の話を皆で温めていくための議論のステップについては習熟していなくて。 

 

― ここでの「幹」と「葉」とは、「葉」はアイデアで、「幹」は具体的なコンセプト、何を大事にしようとしているか、もしくはそもそも論…という理解であっていますか? 

 

丹治さん: はい、あっています。カヤックの面白プロデュース事業は、ここは簡単に言うと広告や色々なサービスの受託をしている事業ですが、彼らの凄いところは顧客からブリーフィングが来なくてもアイデアを出せるというところです。「幹」がなくても、いきなり「葉」の話ができる。広告業界の中でも珍しい特質だと思います。

このように常日頃からブレストに慣れ親しんでいるほとんどのカヤック社員は「葉」の話が得意ですが、逆に幹に関しては不得手な人も多くなる。 まず幹となるものをしっかり作って、枝を張って、葉っぱを創っていくステップは、『もの』を考えづらいところもあり、時間が経ってしまって、価値共有に手間取ってしまうという感覚があるのですが、SOUNDカード™はステップバイステップでちゃんと組み立てやすくなっていきますね。 

そして、SOUNDカード™があると、幹の話に戻しやすいですよね。 

枝葉の話の方が具体的で面白いから、皆そちらにフォーカスが寄っていくのですが、SOUNDカードをS・O・U・N・Dのステップで回していくと、「いったん“幹”の話に戻しましょう」という一呼吸が起きやすいですね。 

 

―すごい。SOUNDカードの™の価値を教えていただいているようです。 

2.SOUNDカード™はファシリテーターの「金棒」になる

丹治さん:他に私が使った事例としては、最近新たに事業部長になったメンバーと一緒に 「あなたたちは、この事業部長である期間を通して、どんなふうに事業をしたいですか?」とか、 新規事業をやりたいというところに「どんな新規事業をやりたいか?」というテーマで、SOUNDカード™を持ってハンズオンでファシリテーションをするということを数回やりました。 

本当にすごいなと思うポイントが2つあって、1つ目はどの状態のチームでも組み立てられるということです。

新しいチームで、なんなら「オフラインで合うのは初めてです」という人たちと一緒にやる状況でも、いきなり成立できるんです。特にSOUNDの「S」のステップがいいですね。どんな状態のチームでも、議論ができる。本当に便利ですね。 

ポイントの2つ目は、アジェンダがどんな段階であっても議論になる、ということですね。既に深まって成熟している段階のものもあれば、まだ入り口にも立っていないような段階のものもある。でも、どの段階であっても使えるんです。 

― すごい! 

 

丹治さん: 一方で、あくまでも「道具だな」と思うポイントも1つあります。 

Outcomeにたどり着くためには、リーダーシップ、もしくはファシリテーション力か、「まとめる力」も必要ですね。Outcomeステートメントが「あ~、こうなったか~!」と、浅い感じにまとまっちゃうときもあるんです。 

アジェンダに対するOutcomeステートメントを抽象と具体のバランスを見てどのポイントに置くか、というのはかなり大事な要素だと思うのですが、やはりカードだけに頼るのではなく、ある程度場を進められる人がいた方がいいな、とも思います。 

写真7_インタビュー時3.JPG

 まさにその通りで、SOUNDカード™の設計思想の中でもそう考えています。 

カードはあくまで補助輪であって、自転車そのものではない。なので、自転車をこぐ人としてのファシリテーターの存在はやはり重要です。

一方で、ファシリテーションスキルが高いということが、その場の「権力」となり、その場の意見や雰囲気がファシリテーターに引きずられてしまう、ということは往々にしてありますよね。

ファシリテーションができる人であればあるほど、ジレンマに陥るということがあります。ファシリテーターのリーダーシップに依存されてしまう、もしくは発言の影響力が不本意ながら増してしまうということです。

スキルが足かせにならないように、カードを介して、スキルをちゃんと使えるようにするという発想があり、ファシリテーターが適切に力を発揮できるための補助ツールとして開発しました。

柴田さん: その感覚はとても分かります。先日のグループ経営会議で私は子会社のグループに加わっていて、全くわからない領域のアジェンダだったけどかえって話しやすかった…ということを思い出していました。 

普段、自分の担当領域に関するアジェンダの会議だと、皆が自分に引っ張られないようにと遠慮してしまって、あまり喋らないんです。 

 

丹治さん: 先日のグループ経営会議は、グルーピングがうまくいっていたと思うんですよね。 

 

柴田さん: なるほど。カードがあることで議論の進めやすさの底上げもできて、かつ、誰かに寄りすぎない。 

 

丹治さん: 議論をリードしよう、とすると、自分の意図がどんどん入ってしまいますよね。 

「こっちの方向性がいい」と思うと、メンバーの議論を自分の解釈で受け取って、その方向性に持っていこうとしてしまうんですが、SOUNDカードがあることで、全員参加型の流れで作れるのはすごいですよね。ファシリテーターの意図も入れつつ、全体の意見がうまく混ざって、全員が乗っかれるものになっていく。そのステップが踏めることが大きいですね。 

 

―お二人の話されていることはまさに本質の話ですね。 

よく議論におけるプロセスとコンテンツと言われますが、言うほど容易には切り分けられません。社内会議で、プロセスだけに徹底できる外部ファシリテーターのような関わりは難しいですし、コンテンツに関わるほど同時にプロセスへの影響も大きくなりすぎてしまう。 

少しそれますが、私は元々NPO支援への課題意識を持っています。NPOの扱う課題は非常に複雑で難しいのに、外部ファシリテーターを雇う余裕はないのが現状です。そのような状況でも課題を扱う際に、プロセスとコンテンツを上手く扱っていくための擬人的なレフェリー役としてのSOUNDカード​™、として開発したという側面もあります。 

 

丹治さん: 

チーミングはやればやるほど良くなっていく感じがしますが、議論を進めアジェンダを深めていくには、レフェリー役は必要ですね。そうでないと同じポイントでぐるぐる回ってしまう気がします。 

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